自慢じゃないけれど、営業会話術を得るために、東京にある話し方教室や営業セミナーをたくさん受けてきた。
就職活動の時から、最終的に岩波さんの会話の格闘術を受けるまで、4教室通った。
その中で別格だった会話術が岩波さんの会話の格闘術だった。
会話術ではなく、人間心理と脳内攻略術といったほうがよいか。

他がカローラや軽自動車だとしたら、会話の格闘術はジェット機の違いは優にある。
マジでそうだ。
体系的に教わることよりも、交渉術が身につくための自分を手に入れるためのプログラムだと捉えるとわかりやすいと思う。

飛行機の方が料金は高いけれど、翼を手に入れたら、どこまででも飛んでいける。
それと同じで、その自分を手に入れたら、ビジネスの場面だけでなく、あらゆる人が絡む現場に適用できる。
会話や話し方って、普通、知恵のレベルでやるものだ(左脳を使う)。
左脳は所詮左脳であって、あくまで論理的に組み立てていくものだ。
左脳から発せられた会話、発言は、実は人の左脳で理解されたとしても、心が揺り動かされたりはしない
交渉相手が心が揺り動かされるためには、こちらがある特殊な脳の状態になっていないといけない
そこを獲得していくためのプログラムが「会話の格闘術」で、類似のものは他にはないと思う。
どう話したらいいか、どう受け答えしたらいいかとか、枝葉の部分は本に任せればいいと言うスタンスで岩波先生はやっている。
もっと見落としてきた、或いは見ないようにしてきた大きな落とし物が、自分の中にあるだろう?という考えだった。
人の無意識や脳が動かされるための「本質」を教えてくれた。

会話の格闘術で学んだことを書いていきたい。

まず人と人が出会うと言うことは、一種の緊張状態になる。ちっちゃな火花が散っている。
意識することもあれば、無意識でそれが起こっている時もある。どちらにしても、交渉や営業とはそういうものだ。
そしてその「勝負」は最初の一瞬で、その勝負は決まると言っても過言ではない。
それぐらいシビアなのだ。

岩波さんの会話術・交渉術プログラムが会話の格闘術と言われるのは、そこからもあると思う。
第一印象がすべてを決めるといってよい。
第一印象は演技して笑顔を作れば、いい印象を与えられるというわけじゃない。
そりゃあ、しかめ面よりは絶対いいに決まっているが、表面的対策の域を出ない。
そこで、人間には無意識や潜在意識、脳には本能を司る部分があることを思い起こすべきだ。
俺もついそれを忘れてしまって、表面的な小細工を弄してしまってきたけれど、人間には見えない部分でちゃんと感じているものだと言うことは強く戒めておきたい。
相手の無意識や本能(動物的カン)では、演技しても取り繕いきれない部分を感づいてしまっている
それが意識上にあがってくるかどうかは別として、特に大物相手の交渉をする場合、相手はそこにすぐ感づいてしまう。
営業しやすい相手は演技でも何とかなるかもしれないけれど、トップを目指すなら、そういう小細工を弄すれば弄するほど墓穴を掘ってしまう。
男女の仲に置き換えるとわかりやすい。岩波先生もよくそういう例をだした。
無意識でお互いに品定めをしている。
人間も動物だし、本能的なカンを働かせようとする。
自分を装飾して取り繕って、釣り上げることができるのは、いわゆる「つまらない足りない人間」だけだ

だから、今一度左脳や表面的な対策をして、相手の心を動かそうとしない方がよかった。
うまくいかない時って、知らず知らずそういうことをしてしまっていたわけだ。
人間の無意識におけるシビアなこちらへの品定めは、非常に厄介なのだ。

かといって、「なめられてたまるか!」なんて肩をいからせて相手と向かい合えばいいというわけじゃない。
非常にシビアなんだけど、会話の格闘術を学べば、そこはうまくこなせると思う。
だから恐れることは全然ない。複雑に考える必要もなかった。
とりあえず、小手先のテクニックで相手の心をコントロールしようとすることだけはやめた方がいい。
通用しない相手は多かった。
これを相手をバカにしているってこともあるが、実は自分の価値をひどく下げてしまっているだけだと気づかされた。
小手先のテクニック=小狡さを弄してくる人間って、信用でき無くないですか?
ドラえもんの骨川スネ夫が、目の前にいたら、絶対信用できないし、低く見てしまうと思う。
知らず知らず、スネ夫になっていなくはないか? これは常に自分に言い聞かせている。
映画版のジャイアンのように、リスクを顧みず、仲間のために体を張る人間こそ、好まれるし、信用される。

左脳がここまで発達している社会だと、みんな気づかない。
気づかなくても一応生きていけるからだ。
でも、どこかでうまくいかない、俺はもっと上に行ってやる、と言う人間は絶対気づくべき、人間の真理だと思う。
その真理を気づいただけで大きく相手よりも優位に立てる。
俺もまったく気づかなかったし、小手先のテクニックを弄してしまっていた。
だから、野望は高くても、なかなか結果が出せないジレンマに苦しんだ。
俺ってここまでの人間だったのか・・・認めるのが怖かった。

営業、交渉マスターになるには、どんな要素が必要になるかというと、それは言葉、話の組み立て方でもない。
生き様に直結する。そこから滲み出る空気が相手を変えられる。
生き様とは覚悟である。

燃えて生きている人には、誰だって悪い感触をもたない。
なんかいいなと認めてしまう。
完全に冷め切っている人間ならどうか?
そばにいて欲しくないと思う。気持ち悪いし信用できないと感じてしまう。
事務的な対応をされると「何だかな・・・」と誰だって思う。

燃えている人には誰だってよいイメージを持つ。ちょうど太陽を人間が好むように。
だから、目的を持って頑張っている人の第一印象は、その容貌関係なしに良いものだ。
そうなると日常からの生き様構築が非常に重要になってくる。
いろいろと他に要素があるけれど、人を落とす交渉術のベースとしてはこんなところだと思う。
そのために生き様を獲得していくのが会話の格闘術の肝の一つだ。

では実際に言葉は何をかければいいんだろう?
何かすごいこと、相手の心をがっちり掴む気のきいた言葉をかけなければいけないのか?
違う! まずは誰でもできる簡単な練習法を習った。

いきなり「好きです!」と全身全霊言っても、気持ち悪がられるように、そんなことをしては逆効果。
ただの挨拶でいい。ぼそぼそではなく、心地よい風を相手にながす感じの挨拶でいい。
すごく簡単。
だけどみんなそんな簡単なことができていない。
とはいえ、練習は必要だ。
完璧に最初からうまくいかない。頑張ろう!

実は人が人と話すって、すごく重要で奥が深いものだ。人間の心理と意識は何層にも奥深くまで分かれている。
そこで本人が気づかないことでもちゃんと相手の心理を読んでいたりする。
だからといって、身構えたり、さらに難しく考えるとよけい頭がこんがらがったりするし、恐怖を感じるだけ。
それに、人間の本能はけっこう単純だなと思う。
単純だからこそ、こちらも単純明快に働きかける必要がある

だから複雑化させる左脳をフル活用してはいけなかった。

そういう会話の妙を学べるのが会話の格闘術で、何をすればいいのか、相手の心理や脳を攻略する技術を教えてくれた。
会話や人間の心理に対する認知の歪み、本質からまず学べるから、他のどの会話術よりもよっぽどタメになる。
岩波さんはそれが当たり前のようにできているからめちゃめちゃすごい。
営業畑で生きてきた人は、岩波さんのやり方は参考になりすぎるくらいなるだろう。
俺がたくさん受けてきたセミナーや講座では、こういう教わり方をしなかったし、無意識潜在意識から構築していくプログラムも、はるかに飛んでいるものだった。